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犯されたスイミングスクール
第3章 特別レッスン開始
「ふぅ〜っ、もう金玉からっぽっ」

 プールサイドの一角にある指導員室の扉から、全身汗まみれの男が姿を現した。
 男の体感としては1週間ほどたっているはずだが、水泳場にある時計の秒針は1秒たりとも時間を刻んでいない。
 
 男はアオイの正面に立ち、スマホを操作する。

「もう彩には飽きたから。あとはお前が事後処理ちゃんとやっとけよ」

 男は吐き捨てるように呟きながら、操作を続ける。
 アオイに向けられた言葉ではあるが、アオイの耳には届かない。

ーーーー。
 
 すると、水泳場に音が戻った。

「ーーーーっ」

 アオイに"催眠"と表示されたスマホが向けられている。

「おまたせアオイ君。おじさん用事すんだから、もう帰るね。もう少ししたら彩先生も戻ってくるからーーいいかい?おじさんは、日本水泳連盟の職員だからね、わかった?」

「……はい、おじさんは日本水泳連盟の職員さんです……」

 アオイは男の言葉を復唱した。

「はい、よくできました。それじゃ、プロ目指して彩先生とせいしどーーおっと、危ない。水泳の特訓頑張るんだぞ♪ 」

 そう言葉をかけると、男はシャワールームへと向かった。

「あ、そうそう。身体はもうすぐしたら自由に動けるようになるから。
 ちゃんと元通り。まぁ、ちょっとだけ催眠掛けちゃったけど、身体には問題ないからね」

 背を向けたまま、男は最後にその言葉だけを残して姿を消した。
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