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犯されたスイミングスクール
第3章 特別レッスン開始
「……あれ? 誰もいない……」

 アオイは突然の変化に戸惑っていた。
 さっきまでいたはずの男と彩の姿がない。

ーーたしか、彩先生が男の人に襲われていて、僕が助けようと……。

 突然、記憶にモヤのような物がかかり、アオイの頭の中に、男の声が響く。

『おじさんは日本水泳連盟の職員で、彩先生に用事があるんだーー』

『もう少ししたら彩先生も戻ってくるからねーー』

ーーそうだ、彩先生は水泳連盟のおじさんと用事があったんだ。おじさんもさっき帰ったし、だから誰もいないんだ。

 アオイは、男が彩と自分に行った悪事を綺麗さっぱり忘れていたーーというより、上書きされていた。

 ・対象者[橘アオイ]
 ・付与された催眠4個
催眠①
 "対象者はアプリ所有者の発言を全て信用する"

 アオイがそれに気づくことはない。その術も、男が催眠を解除する以外になかった。

ーー彩先生、はやく戻ってこないかな。はやく泳ぎたいのに。

 ガチャっーー

 指導員室の扉が開き、彩がでてきた。
 彩がゆっくりと近づいてくる。
 待ちきれないアオイは早足で彩の方へ向かった。

「彩先生、準備たいそう……終わり、ました……」

 アオイは違和感を覚えた。
 彩の様子がおかしい。

「んふっ……そうか、わかった。
それじゃあ……特別レッス……んっ……はじめるか」

 彩はアオイの下半身に目を落とし、小さく舌なめずりをした。

 彩の言葉の語尾には、荒い息が混ざっていた。
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