この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ヒヤシンスの恋
第1章 菫のため息
「…浮気…ねえ…」
美しい水彩画のような初夏の空を見上げる。
この空は、シカゴに繋がっている。
今は夜だから、亮一はぐっすり眠っているだろう。
…亮ちゃん、時差ボケ大丈夫かな。
ちゃんとご飯食べたかな。
着替え、ちゃんと溜めないで洗濯するかしら。
離れていても色々と気になってしまう。
「浮気なんてする気にもならないわ」
菫は苦笑する。
それは貞操観念とか倫理観とかとは違うような気がする。
亮一との良好な夫婦関係を壊してまで、そんなややこしいことをする気にならないだけだ。
有紀子はゲームと割り切っているようだが、自分はきっとそんなふうに器用に立ち回れない。
もし、夫が居る身で恋をしたら、沢山傷つくだろう。
それが怖いだけだ。
…第一…。
「そんなひと、現れるわけないわ」
…会って一目で、雷に撃たれたような衝撃的な恋に堕ちるなんて…
…そんなの、小説や映画の世界だけだ。
寂しい想いに囚われながらぼんやり考えていた矢先…
不意に一陣の旋風が吹き、洗濯籠の上にあった菫の下着が魔法のように舞い上がった。
「あ!!」
それはあっという間に隣家の野薔薇の生垣を超え、あっけなく飛んでいってしまったのだ。
菫は慌てて立ち上がり叫ぶ。
「やだ!!私のパンツ〜!!」
美しい水彩画のような初夏の空を見上げる。
この空は、シカゴに繋がっている。
今は夜だから、亮一はぐっすり眠っているだろう。
…亮ちゃん、時差ボケ大丈夫かな。
ちゃんとご飯食べたかな。
着替え、ちゃんと溜めないで洗濯するかしら。
離れていても色々と気になってしまう。
「浮気なんてする気にもならないわ」
菫は苦笑する。
それは貞操観念とか倫理観とかとは違うような気がする。
亮一との良好な夫婦関係を壊してまで、そんなややこしいことをする気にならないだけだ。
有紀子はゲームと割り切っているようだが、自分はきっとそんなふうに器用に立ち回れない。
もし、夫が居る身で恋をしたら、沢山傷つくだろう。
それが怖いだけだ。
…第一…。
「そんなひと、現れるわけないわ」
…会って一目で、雷に撃たれたような衝撃的な恋に堕ちるなんて…
…そんなの、小説や映画の世界だけだ。
寂しい想いに囚われながらぼんやり考えていた矢先…
不意に一陣の旋風が吹き、洗濯籠の上にあった菫の下着が魔法のように舞い上がった。
「あ!!」
それはあっという間に隣家の野薔薇の生垣を超え、あっけなく飛んでいってしまったのだ。
菫は慌てて立ち上がり叫ぶ。
「やだ!!私のパンツ〜!!」