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ヒヤシンスの恋
第2章 薔薇の秘密
「まずはカウンセリング。
…てか、ミレイいくつ?」
…こんなに若くて美しい青年に、あんまり答えたくない質問だ…。
「…32…です…」
「え⁈マジか。
…25くらいかと思ってた」
…そうよ、もうオバさんなのよ…。
少し凹みながら、おずおずと尋ねる。
「…あの…先生は…?」
「僕は21」
「…お若いですね…」
…やっぱりね…。
ほぼひと回り違う…。
「…あの…じゃあ、大学生ですか?」
「…うん。
でも色々あって今休学中」
…少し、琥珀色の瞳が翳る。
どきりとするような、寂しげな色が微かに帯びる。
「…なるほど…。
やっぱり、音大なんですか?」
「そ、東京芸大のピアノ科」
「すごい!!」
「すごくないよ、別に」
「すごいですよ!!
…私、東京芸大の人と喋ったの、初めてです」
染布はくすくす笑い出した。
「面白いね、ミレイ」
そうして、菫に向き直る。
「ミレイは?何してるひと?」
「…主婦です。子どもはいません。
…在宅で通信添削の仕事しています」
「へえ…ヒトヅマかあ。
ヒトヅマと喋ったの、初めてだよ」
染布は本当か冗談か分かりかねる涼しい貌だ。
「へ?」
…まさか、そんなことある?
それにしても、綺麗な貌だ。
気がつくと、見つめてしまう。
「ダンナは?」
「…普通のサラリーマンです。
…昨日からアメリカに長期出張で…」
「それでピアノを?」
「…はあ…まあ、そんなところです…」
…パンツを拾いに不法侵入して、苦し紛れの入会だけど…ね。
けれど、遠い昔に辞めてしまったピアノがずっと気になっていたのは本当だ。
…てか、ミレイいくつ?」
…こんなに若くて美しい青年に、あんまり答えたくない質問だ…。
「…32…です…」
「え⁈マジか。
…25くらいかと思ってた」
…そうよ、もうオバさんなのよ…。
少し凹みながら、おずおずと尋ねる。
「…あの…先生は…?」
「僕は21」
「…お若いですね…」
…やっぱりね…。
ほぼひと回り違う…。
「…あの…じゃあ、大学生ですか?」
「…うん。
でも色々あって今休学中」
…少し、琥珀色の瞳が翳る。
どきりとするような、寂しげな色が微かに帯びる。
「…なるほど…。
やっぱり、音大なんですか?」
「そ、東京芸大のピアノ科」
「すごい!!」
「すごくないよ、別に」
「すごいですよ!!
…私、東京芸大の人と喋ったの、初めてです」
染布はくすくす笑い出した。
「面白いね、ミレイ」
そうして、菫に向き直る。
「ミレイは?何してるひと?」
「…主婦です。子どもはいません。
…在宅で通信添削の仕事しています」
「へえ…ヒトヅマかあ。
ヒトヅマと喋ったの、初めてだよ」
染布は本当か冗談か分かりかねる涼しい貌だ。
「へ?」
…まさか、そんなことある?
それにしても、綺麗な貌だ。
気がつくと、見つめてしまう。
「ダンナは?」
「…普通のサラリーマンです。
…昨日からアメリカに長期出張で…」
「それでピアノを?」
「…はあ…まあ、そんなところです…」
…パンツを拾いに不法侵入して、苦し紛れの入会だけど…ね。
けれど、遠い昔に辞めてしまったピアノがずっと気になっていたのは本当だ。