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ヒヤシンスの恋
第2章 薔薇の秘密
「…さて…と…。
キンパね…」

菫はキッチンに入り、素早く冷蔵庫を開ける。

「…まず卵、カニカマ…あとほうれん草…。
あ、スパムハムを入れると美味しいのよね。
それから人参、沢庵…」

以前作ったレシピを思い出す。
キンパは何を入れても良いし何を入れても美味しいのだ。
だから有り合わせの材料で簡単に作れるのが良い。
韓国料理のおおらかさを菫は好きだ。

幸い炊飯器には二合分のご飯が炊けていた。

「…亮ちゃん居ないのにいつもと同じ量を炊いちゃったのよね」
それが幸いした。

温かい白米に胡麻油と塩を適量ふんわりと混ぜ合わせる。
ほうれん草はおひたしにし、胡麻油と出汁醤油で軽く味付ける。
砂糖と醤油、味醂を使った甘い卵焼きを焼く。
スパムハム、人参は細切りしにてそれぞれ軽くソテーする。
沢庵は短冊切りにする。
カニカマは割いてからマヨネーズで和える。

これで中に入れる具は完成だ。

巻き簀を用意してまず軽く炙った海苔を敷く。
そこにご飯を敷き詰め横長にほうれん草、人参、卵焼き、スパムハム、カニカマ、沢庵を並べて慎重に巻いてゆく。
海苔の繋ぎ目に料理用の刷毛で胡麻油を塗る。
巻き終わったら、同じく胡麻油を海苔全体に塗る。
一口大に切り分け、糸唐辛子を載せる。

フードストック棚にホテルオークラのフカヒレスープのレトルトパックがあったので、鍋に温めて溶き卵と葱を散らす。
それをスープジャーに入れ、キンパは大皿に盛り付けラップをする。

「出来た!!」

菫は安堵のため息を吐いた。






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