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ヒヤシンスの恋
第2章 薔薇の秘密
『へ?』
驚いて染布を振り返る。
『そ。
僕、好みにはうるさいの』
にんまり笑う染布に尊文がため息を吐く。
『お前…ピアノの生徒を選り好みしてどうする。
…まあ、そんな訳でぜひ食事作りにだけきていただきたいのです。
毎日が大変なら羽村さんのご都合が良い日だけでも結構です。
染布は朝が弱いから昼と夜だけで良いです。
日給は1日2万円…』
『に、2万円⁈』
『安すぎますか?…でしたら…』
『い、いやいやいや!!
高すぎませんか⁈』
『そうですか?
個人的に無理なお願いをするのですから、これくらいは差し上げないと…。
弟は韓国料理が好きなので、できればそれをメインで。
なかなか韓国料理が得意な家政婦がいなくて苦慮していたのです』
『で、でも私も料理教室に1ヶ月通っただけの素人ですし…』
料理は好きだがプロではない。
ただの主婦だ。
『ミレイはセンスあるよ。キンパは簡単なようで結構難しい料理なんだ。
それに、僕、ミレイのご飯なら毎日でも食べたいな』
…天使のように微笑まれ、胸がきゅんとなる。
『弟もこう言っていますし、羽村さんはお隣で店子さんですから信用も出来る。
ご主人には私からお願いしても良いです』
『…主人は海外に長期出張中です。
…それに、自分のことは自分で決めます』
子どもじゃないのだ。
パートだろうとなんだろうと自分で決めたい。
尊文はあっさりと頷いた。
『では決定ですね。
詳しくは染布と相談してください』
『ちょ、ちょっと待ってください』
良いなんて一言も言ってないのに!
『日給は2万円。
材料費などは専用カードをお渡しするのでそれを使ってください。
…それではこれから弟をよろしくお願いいたします』
強引に差し出された握手の手…。
にこにこ嬉しげに笑っている染布が見ている前で拒否もできず、おずおずと握り返す。
…尊文の手はひんやりとしなやかで…友好の握手の筈なのにどこか拒絶的であったのだ…。
驚いて染布を振り返る。
『そ。
僕、好みにはうるさいの』
にんまり笑う染布に尊文がため息を吐く。
『お前…ピアノの生徒を選り好みしてどうする。
…まあ、そんな訳でぜひ食事作りにだけきていただきたいのです。
毎日が大変なら羽村さんのご都合が良い日だけでも結構です。
染布は朝が弱いから昼と夜だけで良いです。
日給は1日2万円…』
『に、2万円⁈』
『安すぎますか?…でしたら…』
『い、いやいやいや!!
高すぎませんか⁈』
『そうですか?
個人的に無理なお願いをするのですから、これくらいは差し上げないと…。
弟は韓国料理が好きなので、できればそれをメインで。
なかなか韓国料理が得意な家政婦がいなくて苦慮していたのです』
『で、でも私も料理教室に1ヶ月通っただけの素人ですし…』
料理は好きだがプロではない。
ただの主婦だ。
『ミレイはセンスあるよ。キンパは簡単なようで結構難しい料理なんだ。
それに、僕、ミレイのご飯なら毎日でも食べたいな』
…天使のように微笑まれ、胸がきゅんとなる。
『弟もこう言っていますし、羽村さんはお隣で店子さんですから信用も出来る。
ご主人には私からお願いしても良いです』
『…主人は海外に長期出張中です。
…それに、自分のことは自分で決めます』
子どもじゃないのだ。
パートだろうとなんだろうと自分で決めたい。
尊文はあっさりと頷いた。
『では決定ですね。
詳しくは染布と相談してください』
『ちょ、ちょっと待ってください』
良いなんて一言も言ってないのに!
『日給は2万円。
材料費などは専用カードをお渡しするのでそれを使ってください。
…それではこれから弟をよろしくお願いいたします』
強引に差し出された握手の手…。
にこにこ嬉しげに笑っている染布が見ている前で拒否もできず、おずおずと握り返す。
…尊文の手はひんやりとしなやかで…友好の握手の筈なのにどこか拒絶的であったのだ…。