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ヒヤシンスの恋
第2章 薔薇の秘密
「ごめんね、スミちゃん。
忙しくて全然スカイプできなくて」
画面に映る亮一は申し訳なさげに手を合わせている。
まだワイシャツ姿だから帰宅してすぐなのだろう。
ホテルの間接照明が亮一の男らしくも人好きのする貌を柔らかく照らす。
…シカゴは夜だ。

「ううん。いいの。
…それより、大丈夫?すごく忙しそうだけど、休めてる?
ご飯食べられてる?」

そちらが心配だ。
亮一は基本的に仕事が大好きだから夢中になると寝食を忘れるところがある。

「大丈夫大丈夫。
忙しいけどメシはちゃんと食ってるよ。
シカゴピザやハンバーガーだけどな。
あ〜、スミちゃんの手料理が恋しいよ。
特にとんかつ!揚げ出し豆腐!
あ、あとあれだ。韓国の海苔巻き!キンパね!
あ〜!食いてえ〜」

画面の亮一は戯けて笑った。




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