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溺れゆく調教の沼
第17章 誰か私を!
雄犬がもういいといわんばかりに性器を離す。目を見張るほど大きかった。すると雌犬は体勢を変えて雄犬の前で伏せの格好をし、お尻を高く突き上げた。雄犬は当然のように雌犬の中に入れた。雄犬の動きに雌犬は悲鳴のような鳴き声を上げる。雄犬も低い雄叫びを上げて性器を抜いた。そして悠々と歩いて水を飲みに行ってしまった。
美稀は、この現実とは思えない状況のなかで完全に我を失っていた。腰を精一杯振り、どうにか気持ちよくなりたくてアアーーー、アアーーーーと声を上げていた。
それすら誰も気づいてくれない。
哀れだった。
あの雄犬に入れて欲しい。
お願い!誰か!!私に気づいて!!!
どうやってもいけない辛さにガチャガチャと拘束が鳴り続けた。

また時間だけが過ぎてゆく。

さっきの雄犬ほどではないが、立派な犬が散歩で通りかかった。3秒ほど美稀を見て行こうとする。飼い主が、「あら、リチャードが興味を示すなんて珍しいじゃない。次のボス犬はリチャードになるんだから、仔犬を増やしておきましょうか。」
そう言うと周りを見渡した。美稀担当の白いスーツの女性が小走りにやってきてゆっくりと深いおじぎをしたまま頭を上げない。それからやっと頭を上げると、何も言わずに正面のガラスを倒した。そして美稀のリードを引いた。
突然のことで美稀は一瞬動けなかった。あんなに願っていたことなのに理解するのに少し時間がかかった。軽くムチを打たれて我に帰り、ぎこちなく進んだ。
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