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人見知り巨乳女子とロールキャベツ系整体師の恋
第5章 おとなしいあの子
〜相原 大樹視点〜
その日、大樹は疲れていた。
前日の晩は酒豪である彼女の飲みに付き合わされ、そのまま映画を観たり、セックスをしたり、結局床についたのは午前4:00で、そのあと7:00に起き、職場である『犬飼整体院』にて勤務を始めていた。
現在23歳の相原大樹は、4年前の大学生時代から付き合っている彼女、本間朱音の存在に悩まされている。
朱音は明るく良いヤツだが、常にテンションが高く周りを巻き込みがちなため、穏やかな性格の大樹はついていけないことが多々あった。
『犬飼整体院』の平日の営業時間は19:30までだったが、この日は金曜の夜だというのに19:00より前に最後の予約客が帰り、珍しく暇だったので店仕舞いを始めた。
最近は、今年で80歳を迎える犬飼院長の代わりに、大樹や他の若い従業員で店の開店準備と締め作業を行っている。
普段は常に2〜3人の従業員を配置しているが、今日来るはずだった他の2人の従業員は、それぞれ体調不良と忌引きで休んでおり、ヘルプ人員は既に帰ったため、大樹一人で締め作業を行うことになった。
駆け込みでやってくる客のために、『施術室2』だけ空けておき、もう片方の施術室や待合室の備品は全てアルコール除菌を終え、洗濯物などを回収した。
そうして施術服の上から上着を羽織り、受付の奥の作業場所で今日の来患者数とカルテの確認を行っていると、
チリーン
受付の呼び鈴が鳴った。
やはり金曜の夜に早仕舞いは無理か。
大樹は慌てて上着を脱ぎ、髪を整え、足元で無造作に散らばっているスリッパを履き、受付のパーテーションを開けた。