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人見知り巨乳女子とロールキャベツ系整体師の恋
第6章 いつも通りの施術
「あの…」
突然綾子に話しかけられた。
「どうしました?痛かったですか?」
何か粗相があったかと思い、手を止める。
「あ、い、痛いんじゃなくて……」
吐息混じりに話そうとする綾子の表情は、髪に隠れてほとんど見えない。
「すみません、なんでもないです…」
結局何も伝わってこないまま、うつ伏せの姿勢に戻る綾子の意図が気になった。
デジタル時計に目をやると、10分押しで施術が進んでいた。
これが日中だったら絶対先輩に怒られる。
「痛かったらすぐ言ってくださいね」
平静を装い声をかけ、今度は肩の施術に移った。
カルテに書いてあった通り肩こりに悩まされているらしく、首の付け根が特に凝り固まっていた。
デスクワーカーにありがちな症状だ。
「全然痛くないです……むしろ……」
先ほどの大樹の声かけに応えるように、綾子が口を開いた。
最初よりも少し心を開いてくれた雰囲気があったので、
「さっきはどうしましたか?」と再度確認してみた。
「えっと…たぶん、気持ち良すぎて……
なんか、お腹がムズムズしちゃって……」
綾子から意外な答えが返ってきた。
身体を触られてお腹がムズムズ…と言われると、健康な男としてはいやらしい発想に行き着くところだが、気の高揚を抑え、綾子の肩をほぐすことに集中した。
「真野さん、すごく肩が凝ってますけど、普段はデスクワークか何かですか?」
彼女のため、というよりは、自身の気分転換をするために通常の接客時のような会話をしようと試みた。
「はい……、んっ……………
し、仕事が…経理なので……」
相変わらず喘ぎ声混じりの綾子の言葉は、大樹の気分転換を阻害してくる。
「経理をされてるんですね。それは肩凝りますよね、色んな意味で」
大樹の予想通りの職種であったが、来店時のスーツスカート姿で仕事をする綾子を想像すると、なぜかジワジワと、自分の股間に血液が溜まっていく感じがした。
綾子は、大樹のいわゆる『好み』の性質を持ち、彼女の小さな一挙一動が、大樹の様々な欲を掻き立てていることに、二人は全く気付いていない。