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人見知り巨乳女子とロールキャベツ系整体師の恋
第7章 疼きを鎮めるための行為
大学生当時、綾子は一部の男子学生からかなり人気があった。
大樹も、彼女を飲み会で見かけてから、その一部の男子学生の内の1人となるのだが、絶対に他人にそのことを打ち明けなかった。
当時の(今もだが)綾子の服装や化粧は地味そのものだったが、若干内巻きの艶のあるストレートヘアや、切れ長で妙に存在感のある垂れ目、その他の顔のパーツも胸も腰も脚も、他の派手な美人には無い魅力があった。
大樹は、綾子の魅力を自分が口にしたら、周りの全ての男たちが彼女のことを好きになってしまう気がしていた。
かといって、綾子に想いを伝え、自分と同じように綾子からも好きになってもらう自信はなかったし、中途半端に関係を持ったとしても、その後彼女がきちんと関係を築くであろう男を想像すると嫉妬に狂いそうになるので、そもそも最初から彼女の存在はなかったことにしようと努めていた。
つまり、大樹にとって綾子は、天使のような女神のような、汚してはならない存在だったのだ。
その後大樹は、大学のつまらない講義や、まとわりつく通俗的な女たち、医学部に入学したことでエスカレートした両親からのプレッシャーに辟易とし、大学2年の冬に中退した。
あの頃は少し精神を病んでいたというか、モラトリアム状態にあったと思う。
その当時の、唯一とも言える綺麗な思い出をもたらしてくれた『真野綾子』張本人が、今自分の手によって喘いでいる。