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人見知り巨乳女子とロールキャベツ系整体師の恋
第2章 綾子は初めての整体を受ける



コンコンコン―

施術室の扉が叩かれた。

「お着替えお済みですか?」

扉の向こうから相原の声が聞こえた。

店の奥から女性施術師が出てくることを微かに期待していたが、そのようなことはなく、最も不慣れな同年代の異性に身体を触られることが決定してしまった。

「…はい」
またも声がかすれたため、んん゙っ、と咳払いをし、相原が入ってくるのを待った。



「お着替えありがとうございます。
では……えっと、台にうつ伏せになってください」
アイマスクどうぞ、と差し出す相原は、先ほどから綾子の顔には一瞥もくれず、あえて微妙に顔を背けているような挙動をする。

そのことには全く気が付いていない綾子は、施術台の枕の向きを確認し、言われた通りうつ伏せになった。
渡されたアイマスクは暖かく、装着すると眼精疲労が取れるような気持ちよさだった。

両手を重ね、その上に顔を横に向けて置いた。
視界が覆われると幾分か落ち着く。
「ふぅ…」と、
無意識に吐息が出てしまい、直後にちょっとした恥ずかしさに襲われた。


頭上で、「ふふっ」と、ほころんだような微かな笑い声が聞こえた。

「お疲れ様です。お仕事帰りですか?」
相原はその流れで綾子に訊いてきた。

「…っ、はい…!」
まさか会話が求められるとは思っていなかったので、オフになりかけた社交力を慌ててオンに切り替え応えた。

「あ、すみません、寝てもらって大丈夫ですよ」
相原はそういうと、受付で書いた綾子のカルテを確認しているのか、紙をめくる音を立てた。


「背中から施術していきます」
オフモードの綾子に気を遣っているのか、綾子の返事を待たずに淡々と施術が始まった。
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