この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
未婚の母、桃宮茉莉32歳
第10章 女の幸せ
母は古風な人だった。女の幸せは結婚、出産、育児だと信じていた。

そして、それは、そういう母に育てられた私にも受け継がれていた。

私も、好きな人ができて、恋に落ちて、結婚して、出産して、生まれた子を育てることが幸せだと思っていた。

ただ、それがこの数年で、イメージが変わった。

ゆっくりしている時間はない。という感覚に。

でも、それが、この数日で、また違うイメージになっていた。

叔母が亡くなってからの叔父の落胆ぶりを見て、好きな人なんて作らない方がいい。私を好きになってくれた男の人が、私が死んだら、悲しむと思ったから。

そして、だから、結婚願望もなくなった。出産しても、幼い子供を残して死ぬなんて嫌だった。残される子供が可哀想だと思った。もしかしたら、叔母のように、子供に先立たれるという展開もある。母も、私が死んだら、そうなる。

それも耐えられない。

そう思っていた私。

でも、母は、叔父に、言った。

「処女のまま死なせたくない」

私は聞いた時、呆れた。セックスがすべてだという感じの言動に呆れたのではない。私の周囲には経験済みの女子もいたし、男子もいたから、セックスを否定的に捉えるつもりはなったから。

ただ、私には、叔父が可哀想だった。だって、叔父の娘。恵里ちゃんは、11歳で亡くなっている。多分、初潮はあったかもしれない。でも、処女のまま亡くなったはず。それなのに、叔父にそんな話をする母が信じられなかった。

でも、叔父の反応は私とは違った。

「そうだな。恵里は11歳だったから、無理だったが、茉莉ちゃんは、できる」

と、言ったから。

「ただ、それが俺である必要はないだろ。叔父だぞ。歳の差を考えてくれ。茉莉ちゃんだって、そんな初体験、望むわけがないだろ」

と、否定していた。叔父は、頑なだった。もともとの性格もあるとは思う。生真面目で、頑固で、融通が利かないのは、知っていた。

そういうところが嫌いでもあり、好きでもあった叔父の宗次。

「姪だと思わずに、美里さんが蘇ったと思って」

と、話す母。

「さっき、茉莉ちゃんを見て、そんな風に思って、酔いに任せて、抱きしめてしまったよ」

と、母に告白する叔父。
/109ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ