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未婚の母、桃宮茉莉32歳
第12章 初体験
私が叔父の子を産むということで、叔父も了承してくれた。でも、そこから、さらに難しい問題があったわ。

叔父は、

「妊娠、出産は子供が生まれてくる上で、避けて通れないが、性交渉は必須ではない。今は、体外受精など、性交渉無しでも、妊娠、出産ができる」

と、私と母に話した。母は、

「そんな処女懐胎みたいなことは・・・それに体外受精って、不妊治療でしょう。不妊だったら必要だろうけど・・・」

と、難色を示していた。私は、単純に、

「美里叔母さんへの義理立てですよね」

と、叔父の意図がわかった。叔父は頷いた。

「だったら仕方がないわ」

と、私は言ったけど、母は、

「体外受精とか、そういうのは、母体に負担がかかることはないのかしら?」

と、不安そうでした。叔父は、

「母体への負担はないとは言えないかな。でも、大したことはないが。処置はすぐに終わるが、この辺りを医師の前で」

と、説明をし始めた。途中で私は遮って、

「その処置は、叔父さんにはできないの?医師でしょ」

と、訊いた。叔父は、

「専門医ではないから」

と、バツが悪そうだったけど、答えた。

「叔父さん以外の人に、見られたくない」

と、私が言うと、叔父は一瞬、嬉しそうだったが、すぐに困った表情になり、

「医師が医療行為ですることだから」

と、説明したが、歯切れはよくなかった。

「叔父さん、さっきは、美里叔母さんと勘違いして、私を抱きしめたわ。だったら、美里叔母さんだと思って私とできないの?」

と、言っていて少し恥ずかしかったけど、訊いた。

「え?」

と、戸惑った叔父。

「そうよ。茉莉が美里さんに似ているのだから、美里さんだと思ってしたら、美里さんだって喜んでくれると思うわ。血もつながっているし、似ているし、茉莉なら、美里さんも怒らないと思うけど。似ても似つかない赤の他人なら、絶対に許してはくれないだろうけど」

と、応援してくれた母。

「そう。私を美里叔母さんだと思って!」

と、私は言葉に力を込めたわ。叔父は、私を見つめて、

「そうだな。茉莉ちゃんを美里だと思って」

と、言った。

「そう。蘇ったと思って」

と、私は言ったわ。母も、

「美里さんとしていると思うのよ」

と、後押ししてくれた。
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