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未婚の母、桃宮茉莉32歳
第13章 余韻と反省会
「そして、目の前にいる茉莉ちゃんを見て、自分が自暴自棄になっていることに気が付いた。嫌いだった自暴自棄になっている茉莉ちゃんと、自分は同じだと」

少し間があった。話すべきかどうか、迷っている感じがした。でも、私は待ったわ。そして、叔父は続きを話し始めた。

「なぜ、気が付いたか。それは、酔っていたこともあったのかもしれないけど、いや、それは言い訳だな。茉莉ちゃんがキッチンに立っているとき、抱きしめた。美里に似ていたから思わず抱きしめたのはウソではないけど、それだけではなかったと思う。多分、美里だと思ったわけではなくて、茉莉ちゃんだとわかっていても、似ているから抱いた。勘違いでも見間違いでも錯乱でもなく、茉莉ちゃんだとわかっていて、抱きしめた。茉莉ちゃんが、『叔父さん。私は美里叔母さんじゃないわ。茉莉よ』と言わなかったら、茉莉ちゃんを美里だと自分に言い聞かせて、襲っていたかもしれない。多分、茉莉ちゃんは、僕の自暴自棄の犠牲になっていたかもしれない」

と、話し切ったという感じで、私を見た叔父。そして、思い出したように、

「そう。僕は、茉莉ちゃんが疎ましかった。血がつながっているから当然なのかもしれないけど、茉莉ちゃんには、美里や恵里と似た部分があちこちにある。見れば見るほど、似ているし、似ているからこそ、美里や恵里のことを思い出した。思い出さないでおきたいのに、目の前に2人に似た茉莉ちゃんがいると、思い出してしまって。でも、美和さんが仕事のことで出かけていたから、さすがに茉莉ちゃんを一人残して、美和さんに挨拶もせずに帰宅するわけにもいかない。だから、不貞寝することにしたのさ。実際、眠かったからね」

と、話す叔父。どこに話が行くのか、見当がつかなかった私。

「そして、目が覚めたら、横の縁側で茉莉ちゃんが寝ていた。ふと、思った。克彦さんも里奈さんも美里も恵里も亡くなって、残ったのは、3人だけかって。茉莉ちゃんはいつまでいきられるのかなって。僕は医師を続ける気はなかったし、美和さんは帰ってこない。パートの話もうまくいっていないのだろうと思った。3人に明るい未来はないんじゃないか。そう思った。それなら、いっそ、と思ったのさ」

と、苦く笑う叔父。
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