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未婚の母、桃宮茉莉32歳
第16章 セックス談義
「でも、わかるわ。その気持ち」
と、私は話した。
「やれることをやっておきたい。一つでも多くのことをやりたい。恥も外聞もないのだと思う。付き合わされる人は大変だったと思うけど。刹那的な、将来的な展望を無視して、今、必要なものを追い求めたいというか、極めたいという気持ちになるのはわかる」
と、私は説明した。
「美里叔母さんが、セックスよりフェラチオとか、そういう妊娠とは関係のない方向に行ったこともわかるわ。恵里ちゃんを産んで、思ったのだと思う。自分が死んだら悲しむ娘の姿を。だから、もう、これ以上、自分が死んで悲しむ人を作りたくなかったのだと思う。私もその葛藤はあるからわかるわ。実際、私だって妊娠して、出産するまで生きられるのかどうか。出産しても、子育てできる時間は残されているのかって、心配というか、不安はあるから」
と、話し続けた。叔父は黙って頷いて聞いていた。
「美里叔母さんが、叔父さんにどんなことを望んでいたのか、わからないけど、『変態』的なことを『無茶』でもやりたかったのは、もしかしたら、セックスから始まった性的な行為を突き詰めたかったのかも。美里叔母さんも私もA型だから、突き詰めるのはもともとかもしれないけど、私は今までそういう経験はないわ。いつまで生きられるかわからないのに、突き詰めても仕方がない、結局、突き詰められないままに『死』が訪れると思うと、何もする気が起きなかったわ。でも、『死』までの間に、何かを突き詰められるなら、突き詰めてみたいかもしれない。美里叔母さんにとってはそれが、性的な行為だったのかも」
と、私は美里叔母さんの心の内を、私なりの解釈で読み解いてみた。正解なのか間違いなのかはわからないけど。
「同じ境遇だから、わかるのかもしれないね」
と、ずっと聞いていた叔父が話した。
「茉莉ちゃんは、美里の気持ちがわかる?」
と、訊く叔父。
「そうね。ここだけの話だけど、母には言わないでよ」
と、話すと、叔父が、
「わかったよ」
と、答えた。
「私、父が亡くなって、恵里ちゃんが亡くなって、美里叔母さんが癌だと聞いたとき、考えたの。このままだと、私が生きた証がなくなるって」
と、話して、叔父の顔を見た。
と、私は話した。
「やれることをやっておきたい。一つでも多くのことをやりたい。恥も外聞もないのだと思う。付き合わされる人は大変だったと思うけど。刹那的な、将来的な展望を無視して、今、必要なものを追い求めたいというか、極めたいという気持ちになるのはわかる」
と、私は説明した。
「美里叔母さんが、セックスよりフェラチオとか、そういう妊娠とは関係のない方向に行ったこともわかるわ。恵里ちゃんを産んで、思ったのだと思う。自分が死んだら悲しむ娘の姿を。だから、もう、これ以上、自分が死んで悲しむ人を作りたくなかったのだと思う。私もその葛藤はあるからわかるわ。実際、私だって妊娠して、出産するまで生きられるのかどうか。出産しても、子育てできる時間は残されているのかって、心配というか、不安はあるから」
と、話し続けた。叔父は黙って頷いて聞いていた。
「美里叔母さんが、叔父さんにどんなことを望んでいたのか、わからないけど、『変態』的なことを『無茶』でもやりたかったのは、もしかしたら、セックスから始まった性的な行為を突き詰めたかったのかも。美里叔母さんも私もA型だから、突き詰めるのはもともとかもしれないけど、私は今までそういう経験はないわ。いつまで生きられるかわからないのに、突き詰めても仕方がない、結局、突き詰められないままに『死』が訪れると思うと、何もする気が起きなかったわ。でも、『死』までの間に、何かを突き詰められるなら、突き詰めてみたいかもしれない。美里叔母さんにとってはそれが、性的な行為だったのかも」
と、私は美里叔母さんの心の内を、私なりの解釈で読み解いてみた。正解なのか間違いなのかはわからないけど。
「同じ境遇だから、わかるのかもしれないね」
と、ずっと聞いていた叔父が話した。
「茉莉ちゃんは、美里の気持ちがわかる?」
と、訊く叔父。
「そうね。ここだけの話だけど、母には言わないでよ」
と、話すと、叔父が、
「わかったよ」
と、答えた。
「私、父が亡くなって、恵里ちゃんが亡くなって、美里叔母さんが癌だと聞いたとき、考えたの。このままだと、私が生きた証がなくなるって」
と、話して、叔父の顔を見た。