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未婚の母、桃宮茉莉32歳
第16章 セックス談義
「そして、何かを為してから死にたい。でも、努力して、その先にある成功では間に合わないって。端的に若いうちにできること。というか、若いうちしかできないこと。そして、生きていた証になることを考えたわ」

叔父は頷いて、続きを促したわ。

「最初は、写真に撮ってもらって、母の形見にって思った。でも、母には、私以外の子供はいないわ。遅かれ早かれ、母が亡くなってしまえば、その写真もどこかへ行ってしまう。もし、誰かがそれを見たとしても、どこの誰か、わからない写真になってしまう。この社会に、私が生きていたことを、わずかな痕跡でいいから残したいって思ったわ」

とまで話した時に叔父は、また、頷いた。

「そして、頭を過ったのは、『秋葉原通り魔事件』だったわ。人を殺せば悪名でも残るわ。でも、1人では刑務所の中で暮らすだけ。何人も殺せば、死刑になる。死刑囚の名前は将来にわたって残るし、たくさん殺せば、事件そのものが記録にも記憶にも残るって。でも、それでは、残される母が可哀想だと思って、その考えは捨てたわ」

途中で何か言いかけて口をつぐんだ叔父は、最後の部分で安堵した表情になった。

「次に考えたのは、AV女優。私の高校の先輩でAV女優になって、有名な人がいるのよ。あんな風になれれば、死んでも、記憶に残るし、今なら、それこそ、どんな『無茶』でも『変態』にでもなれるって思ったわ。でも、誰でもなれるものではないって知ったわ。売れるにはそれなりの容姿やスタイルが必要。よほど美人か可愛いか、それとも、胸が大きいとか、そういう何かがないと無理だって。私には、そういうものがないの。ブスだとは思わないけど、誰からも可愛いとも綺麗とも言われたことはないし、スタイルだって、胸が大きいわけでもないし、セクシーさもないし、これは、無理だと諦めたわ。それに、何より多くの人に覚えてもらえるウリが私にはないって見定められたから」

と、話すと叔父が、口を開いた。

「いろいろ悩んできたのだね。美里も、いろいろ悩んできたのかな。茉莉ちゃんみたいに、そこまで僕には、打ち明けてくれなかった」

と、叔父は天井を見上げた。叔父の癖なのか、考え込むと天井を見上げる。天井に答えが書かれているわけでもないのに。
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