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未婚の母、桃宮茉莉32歳
第17章 叔母への対抗心
「結局、叔父さんはどうしたの?美里叔母さんに『襲って欲しい』って言われて」

と、私は訊いたわ。その答えは聞けていなかったから。叔父は気まずそうに、

「結局、したよ。レイププレイでいいんだって言い聞かせて、そういう動画も見たよ。医学的には、男にはそういう種を残すための願望が備わっているそうだから、できるはずだって。でもね、端的に言うと、人間は、多分、その種の野性味をもっとも失っている生物なんだよ。ある意味、レイプ事件を起こす男というのは、先祖返りしているという感じなんだと思う。犬が先祖返りして、オオカミになれるか?と言えば、無理だと思う。でも、飼い犬が野犬にはなれる。だから、僕は、オオカミにはなれなくても野犬になろうと思ったのさ。そうしたら、意外に、その程度ならできてしまうんだ。美里は、最初は戸惑っていたけど、最後まで嫌がりながら、抵抗して、終わってから『良かったわ。久しぶりに燃えた』って。オオカミにならなくても、野犬でも十分、美里は満足してくれたよ」

と、話し終わるころには、笑いながら話した叔父。オオカミではない野犬。その野犬は、私にも嚙みついてくれるのかしら?って思ったわ。

そう、三回忌の日。叔父が帰ってから、私は疲れて、入浴して、髪の毛を乾かすと、そのまま寝てしまった。その夢の中で、なぜか、私は、昼間、叔父が寝ている横の縁側で寝ている夢を見た。そして、寝ている私の服を脱がす叔父。目が覚めた私の口をふさいで、犯されるという夢。なぜ、あんな夢を見たのか自分でもわからない。そもそも、私は今まで記憶にある限り、叔父が登場する夢を見たことはない。初めて夢に現れた叔父。そして、その叔父に犯される夢を見た私。深層心理に『おっかない』というイメージがあるからなのか。それとも、『願望』があるからなのか、もしかしたら、叔父が『目が覚めて、美和さんが帰ってくるまで、寝ている茉莉ちゃんを見ていて、つくづく思ったよ』とか、話していたから?いろいろ考えたけど、そのときは、そのまま夢のことも忘れてしまっていたけど、このとき、鮮明に蘇った。夢の内容が。

「羨ましいわ。オオカミでなくても野犬でも、叔父さんに襲われるなんて」

と、思わず、頭の中で考えていただけの言葉が、口をついて出てしまった。
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