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情報ねずみは眠らない~情報屋の淫らな仕事~
第5章 情報屋の前の顔【後編】
にへらと笑い、3年前より幼さが減ったひなのおでこをながめる。

ぼんやりする銀次に向って、小声で「…賢者タイムきも」と毒づき、ひなは口の中に残った体液を、ぐるんと飲み込む。

そして銀次から見えるよう「あ」と口内を見せた。


「……えっと、ひなちゃん~。もう、そろそろ…その、見せるやつやめていいよ…」


なぜか頬を赤らめ、照れるように視線を外す銀次に、ひなも負けず劣らず顔を赤くする。


「なっ!?元はと言えば、銀次が終わった後はこうするんだよって、教えたんでしょ!?そ、それで、毎回「見せて」って、言うから…く、癖になっちゃったの!」


ひなは立ち上がりぷいと、洗面所に消えた。

銀次はざっと事後処理をし、身なりを整えると、口をゆすいできたひなの鼻先をつつく。


「どう?お望みの情報は集まってる~?」

「…あんまり…、なんか遠回りばっかりしている感じ」


少し落ち込んだ様子のひなに、銀次は明るく返す。


「ま~そんなもんでしょ~。ひなちゃんの”復讐”がどうなろうと、どうでもいいけど~。残りの俺への借金、返せるように、がんばってね~」


とくに励ますでもないテキトーな発言に、ひなはがくっと脱力し


「じゃあ、なんで聞いたのよ…」

と天井を仰いだ。
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