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情報ねずみは眠らない
第1章 探偵の裏の顔
「・・・・当たり前だろ?オレを誰だと思ってんだ。天下のネズミ様だぜ」
端末の中の白ネズミが胸を張るような仕草をしている
「どんなセキュリティ万全な会社でも、ネズミ一匹くらいが入り込む隙間はあるもんさ」
そう言い終わる前に、ひなの端末に圧縮ファイルが送られてきた
「・・・ありがと。」
「・・・あのよ、お嬢ちゃんが3年前の事件について調べるのは自由だが、あの製薬会社は正直、マジでやばいぜ?」
ネズミのアバターは画面の中でうろうろと歩き回りながら、ひなを見上げている
「今んとこはまだ危ない橋を渡っちゃいないが、もし、嗅ぎまわってることがバレたら…」
「殺されるぞ」
ネズミの神妙な機械音声が部屋に響く
ひなは表情を緩めると、改めて端末に向き合った
「心配してくれてありがとう、ネズミくん。でも、平気だよ。」
「ケッ誰がお前の心配するもんか。お前がヘマすることで、オレまで危険に晒されんのが嫌なだけだ」
ネット上のみに現れる情報屋、白いネズミのアバターを使っていることで、通称ネズミと呼ばれているが、誰も正体を知るものはいない
素性も、年齢も、男か女かさえも、ひなはネズミのことを知らない
だが、ひなが情報屋として働き始めてからずっと、ネズミは手を貸してくれていた
そんなネズミにずっと仲間意識を抱いていたのだった
「口が悪いのも相変わらずだね、ネズミくん」
ひなは小さく笑い、礼を述べると通信を切った
薄暗い探偵事務所には、静寂だけが残っていた
端末の中の白ネズミが胸を張るような仕草をしている
「どんなセキュリティ万全な会社でも、ネズミ一匹くらいが入り込む隙間はあるもんさ」
そう言い終わる前に、ひなの端末に圧縮ファイルが送られてきた
「・・・ありがと。」
「・・・あのよ、お嬢ちゃんが3年前の事件について調べるのは自由だが、あの製薬会社は正直、マジでやばいぜ?」
ネズミのアバターは画面の中でうろうろと歩き回りながら、ひなを見上げている
「今んとこはまだ危ない橋を渡っちゃいないが、もし、嗅ぎまわってることがバレたら…」
「殺されるぞ」
ネズミの神妙な機械音声が部屋に響く
ひなは表情を緩めると、改めて端末に向き合った
「心配してくれてありがとう、ネズミくん。でも、平気だよ。」
「ケッ誰がお前の心配するもんか。お前がヘマすることで、オレまで危険に晒されんのが嫌なだけだ」
ネット上のみに現れる情報屋、白いネズミのアバターを使っていることで、通称ネズミと呼ばれているが、誰も正体を知るものはいない
素性も、年齢も、男か女かさえも、ひなはネズミのことを知らない
だが、ひなが情報屋として働き始めてからずっと、ネズミは手を貸してくれていた
そんなネズミにずっと仲間意識を抱いていたのだった
「口が悪いのも相変わらずだね、ネズミくん」
ひなは小さく笑い、礼を述べると通信を切った
薄暗い探偵事務所には、静寂だけが残っていた