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情報ねずみは眠らない
第1章 探偵の裏の顔
「ひなちゃんとはシたいから、シてるんだよ~。それに・・・ひなちゃんの身体って俺が気持ちよくなれるように、先生に開発してもらったから、具合がいいんだよね~」

身も蓋も無いことを言われ、ひなはため息をつく
探偵・銀次とは、こういう人間なのだ

「ほんじゃ~、今日はこれで~。明日またお仕事の時間にね~」

「おやすみ~、ひなちゃん」

へらりと笑い、銀次はモスグリーンのコートに袖を通すと、事務所を出た
カチャリと外から鍵をかける音と、階段を降りる革靴の音だけが、部屋に響いた

「・・・」

ひとり事務所に残されたひなは、快感の余韻につかりながらぼんやりと虚空を見つめる
3年前から、ひなの寝床はこの探偵事務所であった

もそもそと服を着直していると、デスクに置いていたひなの端末が着信音を発した
気だるい体を引きずって、端末を手に取りボタンを押すと、
変声器を通した甲高い声が耳に刺さった

「よぉ、嬢ちゃん、どうだ?調子は」

端末の画面には白いネズミのアバターがぴょんぴょんと跳ねている

「嬢ちゃんがさっき暴力団の男に渡したGPS機能入りのICチップのお陰で、奴らの居場所を特定できたぜ。ありがとな、報酬はいつものとこに振り込んどくぜ」

ケケケと耳障りな笑い声をあげ、白ネズミは話しを続ける
「こっちも新しい情報や資料関係いろいろ揃ってるぜ。安くしとくが、どうだ?情報屋同士、助け合っていこうぜ」

「・・・・この前頼んどいた、・・あの製薬会社の情報、手に入ったの?」

ひなは静かに端末に向けて話しかけた
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