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情報ねずみは眠らない~情報屋の淫らな仕事~
第1章 探偵の裏の顔

美しいネオンがキラキラと夜の街を彩る
行き交う人々は、みな明りの中で笑いあい光の中に消えてゆく
光の裏には大きな影が潜んでいることに、目を背けながら…
繁華街から路地に入った薄暗いビル影で、その男は待っていた。
歩み寄ってきた小柄な人影に気付くと目を細める。
「…お前が『情報屋』か」
顔を隠すようにかぶっていたフードを外すと
そこには年端もいかぬ少女の顔があった。
男は小さく口笛を吹くと舐め回すように少女を観察する
「はっ…噂には聞いてたが本当に女だったんだな」
「…ご所望のデータはこの中に入ってる」
少女は男の下卑た笑いに動じず、ポケットから取り出したICチップ入りのケースを差し出す。
男は黙って受け取ると、改めて上から下まで少女を舐めまわすように見る。
身長は160cm程度、薄い胸に薄い尻、顔立ちは女のそれだが、先ほどのようにフードやマスクで顔を隠せば、華奢な男にも見えるだろう。
「こんなガキを使いに寄こすなんざ、あのクソ探偵もよっぽどの物好きだな」
「言っとくけど、そのデータは私が手に入れて、取引に使ってる。所長は関係ない。」
「へぇ、汚れ仕事もできるってか。おもしれえ」
いかにもな風貌をした男はニヤニヤと身体を揺らした。
「女と聞いてちょっとは期待してたが、てめぇみたいな胸もケツもねえガキじゃ楽しめそうもねえな。ほらよ、報酬だ。ガキはさっさと帰れ。」
「どーも」
男に投げ渡された包みを取り、中身を確認する。
「確かに。それじゃ」
少女は再びフードを目深にかぶり、踵を返して路地を去って行った。

