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情報ねずみは眠らない
第3章 御曹司の裏の顔
自分の家のことを売られそうになっているというのに、千里は急に興味を失ったようだった

「…悪かったわね、地味で」

情報屋という仕事に誇りを持っているわけではないが、ひなは口を尖らせた

「そういう、情報を得たり売ったり買ったりする中で、誰かがひなのことを周りに広めたりするんじゃないの?」

「注意を払ってはいるけど、有り得ない話では無いかな…。そういう時は口止めさせてもらうけど」

「口止めかぁ…!それはなんだか裏社会っぽくてカッコイイね」

再び興味を取り戻したのか、千里は目を輝かす
ころころとよく表情が変わるものだと、ひなは感心した

「ねえ、ひな、僕にもする?口止め。」

千里は身を乗り出し、全身をわくわくさせているのがわかる

「お金?じゃ、無いよね?脅しとも違うし…。…ひな!僕にもしてよ!口止め!」

口止めの意味が分かってないんじゃないかと思う程明るく、千里はひなに詰め寄る
ひなの口止めと言うと、要するにアレのことなのだが…
期待に満ちた目で待つ千里を、適当に誤魔化せる気もしない


ひなは小さくため息をつくと、スツールから腰を上げた






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