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情報ねずみは眠らない
第4章 情報屋の前の顔【前編】

「・・・・・」
ぼんやりと目を開く、背中の違和感は全身に広がり、床に倒れたまま指一本動かすことができない
身体が、重い…
何とか動かそうと、力の入らない身体に意識を集中する
「あ~、もう目ぼしいものは大体盗られちゃった後かぁ~」
突然部屋に響いた間延びした声に視線を向ける
そこには知らない男が土足で、リビングの棚を物色している姿があった
先ほど見た男とは別の人間のようだ
「・・・・・かふっ…」
男に何か言おうとしたが、掠れた息が口から漏れただけであった
その音に振り向いた男は、驚いた顔でひなを見つめた
「あれ~、生きてたんだ。こんだけ血出てるし、もうダメだと思ってたよ~」
へらへらという擬音がよく似合う、軽薄な笑顔を浮かべ男はひなに近付いてきた
よいしょっと…と、床に倒れていたひなを壁にもたれさせる
その時初めて、ひなは自分の身体の感覚が無いことに気が付いた
「君、桜木博士の娘さんだよね~?ねえ、博士が大事なものを隠しそうな場所とかわかるかな?」
目の前の人間が死にかけているというのに、男はニコニコ顔でひなに問いかける
身体を立てたことで気道が通り、少しだけ息が楽になった
「あ…あなた…、だ…れ…」
「…ん~、キミどうせもうすぐ死んじゃうんだから、俺のことなんかどうでもいいでしょ?それより、知らない?大事なものがある場所」
ぼんやりと目を開く、背中の違和感は全身に広がり、床に倒れたまま指一本動かすことができない
身体が、重い…
何とか動かそうと、力の入らない身体に意識を集中する
「あ~、もう目ぼしいものは大体盗られちゃった後かぁ~」
突然部屋に響いた間延びした声に視線を向ける
そこには知らない男が土足で、リビングの棚を物色している姿があった
先ほど見た男とは別の人間のようだ
「・・・・・かふっ…」
男に何か言おうとしたが、掠れた息が口から漏れただけであった
その音に振り向いた男は、驚いた顔でひなを見つめた
「あれ~、生きてたんだ。こんだけ血出てるし、もうダメだと思ってたよ~」
へらへらという擬音がよく似合う、軽薄な笑顔を浮かべ男はひなに近付いてきた
よいしょっと…と、床に倒れていたひなを壁にもたれさせる
その時初めて、ひなは自分の身体の感覚が無いことに気が付いた
「君、桜木博士の娘さんだよね~?ねえ、博士が大事なものを隠しそうな場所とかわかるかな?」
目の前の人間が死にかけているというのに、男はニコニコ顔でひなに問いかける
身体を立てたことで気道が通り、少しだけ息が楽になった
「あ…あなた…、だ…れ…」
「…ん~、キミどうせもうすぐ死んじゃうんだから、俺のことなんかどうでもいいでしょ?それより、知らない?大事なものがある場所」

