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ふみふみ
第17章 出逢い ★
工藤と初めて会った時、七海ちゃんはそんなに悪い印象を持っていなかった。
工藤はとても小柄で顔立ちもとてもキュートだった。
七海ちゃんはちょっとためらっていたけれど、自宅に帰りその番号に電話をしてみようと思ったのだ。
呼び出し音が鳴っている。
「もしもし…」
「く、倉木ですけど…」
「え?倉木さん?」
「はい、そうです、工藤さんですよね?」
「そうだよ、手紙読んでくれたんだ?」
「はい、読みました…」
実際には手紙ではなくてメモ紙だったのだけれど。
「俺と付き合ってみない?」
「え?」
「俺、前から倉木さんのこと気になってたんだよ…」
「そ、そうなんですか?」
「うん、良かったらだけどね…」
そう言うと工藤は電話の向こうで苦笑いをしている様に感じた。
七海ちゃんは自分が離婚したことを話さなければと思っていた。
「く、工藤さん、わ、私、り、離婚してるんですけど…」
「え?だから何なの?そんなこと気にしてないよ…」
「それに、工藤さん私よりも若いですよね?」
「そーなの?俺は今、30歳だけどさ…」
「私、31歳なんですけど、気になりませんか?」