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第17章 出逢い ★

まさか、母もガンになるとは思ってもいなかった。

「母はどうなるのでしょう？」
「手術をすれば大丈夫です…」

「そうなのですか？」
「はい、手術の可能性があるという事は治る可能性が大きいです…」

そう、言われはしたものの、タケシのケースがあった。

「本当に助かるんですよね？」
「はい、まだお母さんは出血してても手術できる状態なので大丈夫ですよ…」

「なら、お願いします…」

こうして、綾子は子宮頸がんの手術を受ける事になった。
その手術は10時間を超える程の長い手術だった。

でも、その手術は成功して、晴れて綾子は退院することが出来たのだ。
だが、今までしていた仕事は辞めなくてはならなかった。

綾子の仕事は清掃員だった。
とても真面目な性格の綾子は会社からもとても頼りにされていた。

仕事を辞めてから綾子は毎月、傷病手当や保険会社からの保険金で生活していたのだ。
綾子はまた病気を完全に治して、働きたいと思っていた。

その思いが通じたのか、綾子の体調は日に日に良くなってゆくのだった。
その一方で、七海ちゃんと工藤の交際も順調に進んでいった。

七海ちゃんは綾子にも工藤を紹介していたのだ。
綾子は工藤にこう言った。

「七海を幸せにしてやってください…」