この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ふみふみ
第18章 再婚

その光を上下左右に動かすのだ。
その灯りが欲しくてアタシとモモは後を追いかけてゆく。
工藤はその光を横にススーっと動かした。
それと同時にアタシとモモはそれを追いかけていく。
それを、何度も何度もやるのだ。
アタシやモモは疲れも知らずに夢中になってその光を追いかける。
かと、思えば、工藤はアタシを抱っこしてギューっと抱きしめるのだ。
その度に、アタシは苦しくなって鳴いた。
そのアタシの鳴く姿が可愛かったのか、面白かったのか、それは分からないけど何度もやられた。
アタシは工藤に抱きかかえられるとそれがイヤで逃げたりしたのだ。
モモに被害はなかった。
モモはとても大人しい子だったので、工藤も手荒なことはしなかった。
二人が同棲して結婚してからも子供はできなかった。
そんな七海ちゃんは工藤にこう言うのだ。
「健一さん、子供ができなくてごめんなさい…」
「イヤ、そんなことはないよ…」
「子供が欲しくないの?」
「それは、違うよ…」
そう言うと工藤は笑うのだ。
それを見て七海ちゃんは不思議に思った。
「なら、何故なの?」
「俺は、七海ちゃんがいてくれたらそれでいいんだよ…」
「そ、そうなの?」
「うん、赤ちゃんは神様からの授かりものだからね…」

