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ふみふみ
第19章 病気
「倉木さんのお嬢さんですか?」
「はい、娘ですが…」
「ちょっとお話ししたい事がありますので一度病院に来て頂けませんか?」
「はい、分かりました」
そう言うと七海ちゃんは病院へと向かった。
そこで、担当医師からこう言われるのだ。
「お母さんの件ですが、ガンが再発したようです…」
「え?本当ですか?」
「はい、昨日検査をして分かったのですが…」
「それで、容態はどうなんですか?」
「それが、もうかなり進行している様なんです」
「そ、そんな…」
七海ちゃんは頭が真っ白になった。
「とても残念なのですが、お母さんの余命は1年くらいでしょう…」
「1年ですか?」
「はい、お母さんも精神的にかなり参っていて少し鬱状態なので毎日誰か傍にいてあげてください」
これを聞いて、七海ちゃんは自分が綾子と一緒にいようと決めたみたいだった。
七海ちゃんは、勤めていた小さな福祉機器を扱う会社をこの時退職することに決めたのだ。
会社の社長さんにこう言った。
「母の余命がもう僅かなので、傍にいてあげたいと思っています。大変申し訳ないのですが退職させて頂けますか…」
「そんな、事なら構わないよ。お母さんと一緒にいてあげなさい…」
「ありがとうございます…」