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ふみふみ
第3章 新生活
七海ちゃんがアタシにこう言う。
「これから私と一緒に暮らすのよ…よろしくね…」
アタシはこれを聞いてまた「にゃ~」と鳴いた。
車はアタシを乗せて暫く走って行った。
その車の揺れに心地よくなり眠ってしまったほどだった。
程なくして、車はあるアパートの前に停まった。
七海ちゃんはアタシを抱っこして車から降りた。
そのアパートはちょっと古ぼけた2階建ての1階部分だった。
ここが七海ちゃんのアパートなのだ。
智也と共に部屋に入ってゆく。
このアパートはペット可の物件だった。
だから、アタシは七海ちゃんの家に来られたのだ。
七海ちゃんの部屋はとてもシンプルだった。
8畳の部屋にはベッドと小さなテレビと小さな籐のタンスと小さなガラステーブルが置いてあった。
部屋に入るとベッドの足元に大きなケージが置いてある。
そのケージの中にアタシを入れた。
「疲れたでしょう?ちょっとお休みしようね…」
七海ちゃんがそう言ってきた。
アタシはまた「にゃ~」といって鳴いた。
アタシはケージに入れられると、ケージの中を探検した。
トイレはまだアタシが小さかったので小さな箱にトイレチップが入っていて、入りやすい大きさだった。
アタシは身軽だった。
ケージの2段目にジャンプして上ってみた。