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ふみふみ
第5章 命名

「じゃ、俺、もうそろそろ帰るから…」

智也はそう言うと七海ちゃんの家を出て行った。
アタシは少し遊び疲れてしまった。

七海ちゃんのベッドにスタっと上がるとそこで暫く眠ったのだ。
目が覚めると、何故かとても淋しくなった。

ママの事が恋しくなったのだ。
七海ちゃんのベッドには魚の大きなぬいぐるみが置いてある。

その魚の大きなぬいぐるみのところでアタシは両手を付くとフミフミと押していった。
それは、ママに甘えたい時にすることだった。

七海ちゃんはそのアタシの姿をそっと見ていた。

「おチビちゃん、何て可愛い事してるの?」

七海ちゃんはアタシのフミフミする姿を見ていたく感動した様だった。
そして、とても可愛いと感じたらしい。

その時、思った様だった。

「そうだ、この子の名前はフミにしよう…」

確かに、フミと言う名前なら男の子でも女の子でも構わない様な気がした。
アタシは一心不乱にフミフミをしていた。

そして、暫くすると淋しさが消えていくように感じたのだ。
その時に、七海ちゃんがアタシの傍に来てこう言った。

「おチビちゃん、今日からあなたの名前はフミよ…」

この一言でアタシの名前は決まったのだ。
七海ちゃんは嬉しくなって智也にLINEをした。

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