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ふみふみ
第7章 暖かな箱
七海ちゃんは智也にLINEしてみた。
「智也、フミがいないのよ…どこに行ったのか分からないの…」
「え?なんで?部屋にはいないの?」
「うん、どこを探してもいないの…」
「どこかで、寝てるんじゃないか?」
七海ちゃんは智也からそう言われても心当たりがなかった。
「まさか、外に出ちゃった訳ないわよね?」
「そんなことないだろう?玄関はフミがいたら開けないだろう?」
アタシは良く玄関のコンクリートが冷たく気持ち良くてそこで暑い日など寝ていたことがあった。
それは、とても小さな時だったけれど。
アタシはとても好奇心旺盛な三毛猫だった。
だから、良く外の世界がどうなっているのかを知りたいと思い、玄関にはちょくちょく行っていたのだ。
そのことを七海ちゃんは思い出している様だった。
また、七海ちゃんがアタシの名前を呼ぶ。
「フミぃ…どこにいるのー?」
アタシは余りにもうるさいので目を覚ました。
でも、この暖かさから離れることができない。
アタシは一言「にゃー」と鳴いてみる。
すると、七海ちゃんがその声を頼りにアタシを探しに来た。
「フミっ、そんなところにいたのっ?!」
七海ちゃんは非常に慌てていた。
そう言うと七海ちゃんはアタシを引っ張り出し抱き上げた。