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第10章 新築アパート ★

「え？やっぱりダメなんですか？」
「そうですよ、オーナーさんが動物の嫌いな方なので、見つかったら即退去ですよ…」

でも、すでに申し込みもし終わり、後は引っ越すだけとなっていたのだ。
アタシはどうなるんだろうかと思っていた。

すると、今度は七海ちゃんが話し出す。

「どうしても、ダメでしょうか？」
「そうですねぇ…」

「飼えないと、里子に出すか保健所行になってしまうんですけど…」
「それは、可哀相ですねぇ…」

「何とかなりませんか？」

暫く、不動産屋さんの社長さんは考えている様だった。
そして、こう言ったのだ。

「分かりました、オーナーさんには内緒にしておきます。その代わり、バレない様にしてくださいね」

これを聞くと七海ちゃんは大喜びしたのだ。

「はい、分かりました、バレない様にしますのでよろしくお願いします…」

こんな経緯があり、七海ちゃんは今のアパートから引っ越すことになった。
荷物はそんなに多くなかったので、引っ越すのはそんなに大変ではなかった。

七海ちゃんと智也は相談して引っ越し屋さんは頼まずに、お互いの弟に手伝ってもらう事にした。
実は、七海ちゃんの弟の真司と智也の弟、浩司は同じ高校で同じクラスメイトだった。

まさか、自分の姉と兄が同じクラスメイトの恋人同士だと誰も想像していなかった。
その真司と浩司に引っ越しを手伝ってもらう事になったのだ。

真司と浩司は1日1万円の報酬で引っ越しの手伝いをした。