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ふみふみ
第10章 新築アパート ★
でも、真司こう言うのだ。
「俺さ、こんなに引っ越しって大変だとは思わなかった…瀬川、お前もそう思うよな?」
智也の弟浩司にも同意を促す。
「うん、俺も兄さんの彼女だから引き受けたけど、もう引っ越しの手伝いはしない…」
どうやら、真司と浩司は引っ越しの手伝いが非常に大変だということを知ったらしい。
そんなことがありこうして、七海ちゃんの引っ越しは無事に終わったのだ。
新居に移ってからのこと。
アタシは新居の部屋の中を探検した。
もう、あの大きなケージはなかった。
アタシのトイレは玄関先に置かれていた。
今回のアパートは以前住んでいたアパートよりもやや広かった。
アタシは特に和室の出窓が気に入ってしまった。
七海ちゃんは以前よりも駅から近くなったので通勤には楽みたいだった。
そんな、七海ちゃんが仕事でいな時など、アタシはお気に入りの出窓で日向ぼっこをしていた。
この出窓には、七海ちゃんが勤めているインテリア売り場で売っているブラインドを付けていた。
智也がサイズを測って特別に注文してくれたのだ。
でも、休みの日などは七海ちゃんに見つかって、出窓から追い出されることも多かった。
何しろ、いつオーナーが物件を見に来るのか分からないのだ。
この頃になると、智也が新築アパートに頻繁に来るようになっていた。
智也がこう言うのだ。
「七海ちゃんさ、これから毎晩来てもいいかな?」
「え?毎晩?」