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ふみふみ
第11章 里親
「倉木さんですか?
「はい、そうですが…」
「ちょっと先日の事でマズイことになりまして…」
「え?何があったんですか?」
七海ちゃんはとても心配そうに電話口で話している。
「実はですね、倉木さんが飼われている猫ちゃんがですね…」
「は、はい…」
「オーナーさんにバレまして…」
「えー?本当ですかー?何でですか?」
七海ちゃんは信じられない様だった。
「今日、アパートの持ち主のオーナーさんがアパートを見に来ましてね、そこで出窓で寝ている猫ちゃんを見てしまったんですよ…」
「えー?本当ですか?」
「本当です、で、オーナーさんが非常に怒ってしまって、直ぐに猫を処分するか、退去するかを言ってきたんですよ…」
「本当ですかー?」
「本当です…私も説得したんですが、オーナーさんは聞き入れてくれなくて…」
「そうだったんですね…」
「倉木さん、猫ちゃんを処分するか、速やかに退去するか決めてください」
七海ちゃんの驚きは半端なものではなかった。
「今すぐには決められません、時間を頂きたいのですが…」
「分かりました、オーナーさんにはそう伝えておきます…」