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ふみふみ
第11章 里親

その時、また玄関の鍵を外す音がした。
入って来たのは智也だった。

それを見て七海ちゃんはこう言った。

「智也くん、何しに来たのよっ!!帰って!!」

七海ちゃんの怒りがまた出てきたのだ。
それを見ると智也はなだめるようにこう言ってきた。

「七海ちゃん、フミの引き取り手が見つかったよ…」
「え?なんですって?」

「うん、ウチの母さんがフミを預かってもいいって言ってくれたんだ…」
「え?お義母さんが?」

「そうだよ…」

七海ちゃんはそれを聞くととても驚いていると同時に嬉しかったみたいだった。

「智也くん、お義母さんに挨拶に行って来てもいいかしら?」
「いいよ、母さん今家にいるから…」

七海ちゃんはそう言うと智也と一緒に部屋を出て行った。
アタシはひとりお留守番になった。

智也の家までは歩いて3~4分くらいだった。
その道を速足に歩いてゆく二人。

「母さん、七海ちゃんが来たんだけど…」

そう言うと智也の母、朋子が出てきた。

「あら、七海ちゃん、こんばんは…話は智也から聞いてるわ…」
「お義母さん、本当にいいんですか?フミのこと?」

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