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ふみふみ
第11章 里親
「分かったわ…」
七海ちゃんは、その後アパートに戻って来た。
そして、アタシにパウチご飯をくれる。
「フミ、ちゃんとご飯食べるのよ…今夜から新しいお家に行くからね…」
アタシはそれを聞いてちょっと哀しくなった。
七海ちゃんと離れたくなかったからだ。
「(七海ちゃん、アタシ行きたくないよ…)」
「フミ、ここではあなたは暮らせないのよ、ちょくちょく会いに行くから心配しないで…」
アタシはちょっと淋しくて鳴いた。
ご飯を食べると小さなキャリーケースの中に入れられた。
そのキャリーケースを持ち智也の家に行ったのだ。
「お義母さん、フミを連れてきました…」
「あら、フミちゃん、こんばんは…よく来たわね…さ、入ってね…」
アタシはキャリーケースから引っ張り出された。
でも、怖くてまたキャリーケースの中に隠れた。
「お義母さん、きっと慣れたら出てくると思うのでお願いします…」
「いいわよ、それよりも七海ちゃん夕飯は食べたの?」
「いえ、まだ食べてません…」
「なら、今家で食べて行きなさい、智也もそのうち帰って来るから…」
七海ちゃんはちょっと迷ったけれど朋子の言うとおりにしようと思ったらしい。
それに、アタシともう少し一緒にいたかったのだ。
七海ちゃんは智也の弟、浩司と一緒に朋子と3人で夕飯を食べていた。
夕飯を食べ終わると、七海ちゃんは食器を洗っている。