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ふみふみ
第12章 結婚 ★
七海ちゃんたちは細やかな新婚旅行にも出かけた。
その行先は海外ではなく国内で長崎地方を巡る旅行だった。
今なら、国内よりも海外の方が高かったと思う。
七海ちゃんはその国内旅行を愉しんで来た様だった。
アタシは毎日両方の家を行ったり来たりしていた。
何しろ、ドア1枚で隣の家に行けるのだ。
アタシの行動範囲は広くなってゆく。
猫のトイレも両方の家に置かれていた。
アタシはいつも好きな所でおしっこやうんちをしていたのだ。
それを、七海ちゃんか母、朋子が片づけてくれていた。
家自体は完全な二世帯住宅だったけれど、夕飯の時などは七海ちゃん夫婦が聡一夫婦の家に行き一緒に食べる事が多かった。
なので、七海ちゃんの気遣いも相当あっただろうとアタシは思う。
七海ちゃんは夕飯の後などはいつも家族全員分の食器を手洗いしていた。
今みたいに全自動食洗器などはまだ高かったので買えなかったのだ。
七海ちゃんは自分の仕事が休みの時だけ、家族の夕飯を作っていた。
総勢、七海ちゃんを含むと5人の食事を毎回仕事の休みに作っていた。
その料理は肉じゃがや魚の煮つけや茶わん蒸しなど色々だった。
特に、七海ちゃんは茶わん蒸しを作るのが得意だった。
その茶わん蒸しも温かい物から冷たい洋風の茶わん蒸しまで作っていたのだ。
そんな七海ちゃんが作る茶わん蒸しを聡一は毎回喜んで食べてくれていた。
休みの日は朋子の家の洗濯物の取り込みなども手伝っていた。
アタシはそんな時一緒にバルコニーに出てその様子を見ていたものだ。
洗濯物が部屋に取り込まれると、その上で寝転んだりしていた。