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ふみふみ
第14章 対面

人間とは病にかかると性格をも変えるのだと七海ちゃんは思っていた様だった。
この頃から、七海ちゃんは早くタケシに自分の子供を見せたくなった様だ。

でも、結婚してから1年余りが経つけれど、七海ちゃんに赤ちゃんができることはなかった。
どうして子供ができないのかとても悩んでいる様にアタシは見えた。

智也に原因があるのか、七海ちゃんに原因があるのかそれは分からなかった。
ただ、智也の母、朋子からも子供のことを言われることが多くなってきた。

ある時、七海ちゃんは朋子からこう聞かれたのだ。

「七海ちゃん、赤ちゃんはまだできないの?」

それを言われると困ってしまう。

「ええ、お義母さん、まだなんです…」
「これだけは、授かりものだから仕方ないわね…」

「すみません、お義母さん…」

七海ちゃんは深くうな垂れてしまう。
確かに、赤ちゃんは授かりものなのだ。

それ以上、朋子は七海ちゃんに赤ちゃんの話しはしてこなかった。
そんな事があって、七海ちゃんは子猫の事を智也の父、聡一に相談するのを忘れていたのだ。

もう、子猫を引き取ってから2週間が過ぎていたと思う。
今夜、七海ちゃんは聡一に子猫の事を聞いてみようと思っていたら聡一からこう聞かれたのだ。

「七海ちゃん、あの小さな可愛らしい子猫はどうしたんだい?」
「え?子猫ですか?」

「そうだよ、あの子猫だよ、飼うんじゃないのかい?」
「飼ってもいいんですか?お義父さん?」

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