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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第2章 平凡な主婦が考えることとは。
まだ数年のローンを残している家は、建て売り住宅を見に行ってそのまま契約した物件で、けして立派なものではない。部屋数も知れている。何を思ったか、いつも何事も即断しない夫がそのときだけは、今の家を見て、その場で決めたのである。もっとも、夫が気に入った最大の理由は、最寄りの駅から徒歩十分というところらしい。娘たちの通う小学校からも近いし、周囲は閑静な住宅街であったことから、萌も特に異を唱える必要はなかった。