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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第2章 平凡な主婦が考えることとは。
この建物の前は、しょっちゅう通る。どこか周囲のビルとはアンバランスな印象を受けてしまうが、萌はこのノスタルジックな小さな建物が嫌いではなかった。むしろ、良い意味で気になっていたといえる。
が、この建物が写真館だったとは、ついぞ知らなかった。ここは萌の自宅から少しだけ離れている。夫がいつも利用する私鉄線の最寄り駅近くに位置する。萌が暮らすR市は、そこそこ発展している地方都市で、R駅周辺はオフィスの入ったビルが目立つ。写真館はその一角にひっそりと建っているのだ。
が、この建物が写真館だったとは、ついぞ知らなかった。ここは萌の自宅から少しだけ離れている。夫がいつも利用する私鉄線の最寄り駅近くに位置する。萌が暮らすR市は、そこそこ発展している地方都市で、R駅周辺はオフィスの入ったビルが目立つ。写真館はその一角にひっそりと建っているのだ。