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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第2章 平凡な主婦が考えることとは。
現に、萌が今立っている場所から、大通りを挟んで林立する高層ビルが見える。忙しなさそうに萌の前を行き交う人々は、萌などには眼もくれない。萌は一瞬、自分と周囲の世界がガラスの壁で隔てられているような錯覚を憶えた。誰もが当人以外の存在には関心も示さず、ただ憑かれたように前方だけを見て足早に通り過ぎてゆく。
中には突然降り出した雨に悲鳴を上げながら、それでも嬉しげに手を繋ぎ二人で駆け抜けてゆく若いカップルもいる。
中には突然降り出した雨に悲鳴を上げながら、それでも嬉しげに手を繋ぎ二人で駆け抜けてゆく若いカップルもいる。