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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第2章 平凡な主婦が考えることとは。
「うん、少しは良くなったけど、まだまだだな。お客さん、名前は?」
 は、と、萌は思わず声を出しそうになる。何で名前を訊くの? と思いながらも、問われるままに〝神崎萌〟と応えていた。
「じゃあ、萌さん―、いや、萌ちゃんでも良いか。萌ちゃんの好きな花は何?」
 またまた思いがけない質問が飛んでくる。それにしても〝萌ちゃん〟だなんて、夫からでさえ一度も呼ばれたことがない。いきなり〝ちゃんづけ〟で呼ばれて少し退きそうになったものの、何故か悪い気はしなかった。
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