この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
12歳年下の彼のお誕生日の話
第7章 沖縄旅行 2日目
「だっ…旦那さんっ…」
『え?だってそうじゃないですか、
来月には入籍するんですから。
巴さんが僕の奥さんになるって事は
僕は巴さんの旦那さんになるって事ですよ?』
「だっ、旦那さん……。
み、港斗君が…私の…旦那さん…」
『今、実感したみたいな言い方ですね…。
来月の話ですよ?巴さん。
この前結婚指輪だって買いに行ったのに』
それはそう…で…
その為に…食事会の場所とかも
相談して決めて予約もして貰って。
今は…プレ新婚旅行の最中だった。
この結婚する前に行く、
新婚旅行の事を
プレハネムーンとか
アーリームーンとか言うらしい。
『でも普通の恋人同士でする、
最後の旅行にプレハネムーンって
名前つけた人天才ですって。
その言葉なかったら……えっと…
婚前旅行って言う事ですかね?』
普通の恋人同士で行く旅行には
こんな呼び方はしないから、
昔から特別な意味合いを持つ
旅行って事になるんだろうけど…。
昔は…結婚前に旅行なんて
とんでもないって感じだった
時代もあったらしいけど。
今回の…この旅行は、
彼のご両親と祖父母から
行っておいでって言って貰った旅行だから。
彼のお誕生日祝い…でもあるし、
そう言う……気持ちとかも
含まれてる…んだろうなって…。
『まぁ…僕と巴さんは
一緒に同棲してますし…
金銭感覚とかその辺りを
この旅行で再確認なんて
しなくても普段から出来てますもんね。
でも…結婚してからの思い出は
夫婦になってからしか作れませんけど。
恋人同士の思い出は、今しか作れませんから』
彼がこっちの手に自分の手を
そっと重ねて来てぎゅっとその手を
握って来て。繋いだ手に巴が
包むようにして自分の手を重ねた。
「パラセーリング…楽しかった…、
画像とかでしか見た事無かったから…」
『僕は…この沖縄旅行で
巴さんとマリンスポーツを
沖縄の海で楽しみたかったんで、
今日は…その夢が叶った感じですね…』
「…夢…?それで沖縄旅行
行きたいって…言ってたの?」
『いや…、他にも…巴さんと
行きたい場所とか、したい事とか…は
あるには…、もっとありますけど…』