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12歳年下の彼のお誕生日の話
第8章 沖縄旅行 3日目
『あまり…その…巴さんには…
結婚するまで…うちの家業については
話すつもり無かったんですけど…』
と…そんな…前振りをして来て。
港斗君のおじいちゃんが、
淡路島にバブルの時に建てられた
リゾートマンションを幾つか
バブル崩壊後に購入していて。
その…購入したバブル遺産の
リゾートマンションを綺麗に改装して。
淡路島の観光客とか、移住希望者に
ウイークリーとかマンスリーで
ホテルよりもリーズナブルに貸してるらしくて。
淡路島の再開発が進んでいて、
移住者とか観光客も増えてるから。
物件不足が深刻な状態なのだそうで…。
あの双子の所みたいな、貸別荘にも
かなり人気が集まっているのだそうだ。
新しい別荘の建設もラッシュで、
双子も儲かってるとは言ってたけど。
港斗君のおじいさんが持ってる
淡路島の土地にも新しい
リゾートマンションが完成するらしく。
もう既に……完成はしてないのに
部屋も割と埋まりつつあると。
そこまで話を聞いて…何か
引っ掛かったんだけど…。
「もしかしての…話なんだけどさ…」
『そのもしかして…ですよ、巴さん
うちの…家と…、あの双子の
親戚の人との共同営業みたいな感じです…』
港斗君のお家は代々不動産や
物件を…所有しているお家で
土地転がし…と言うと言い方が
ちょっと悪いかも知れないけど…それで
おじいさんが儲けたお金で…
お父さんは別の会社を立ち上げていて
自分の会社をしながらおじいさんの仕事を
手伝ってる感じ…だから……と
そこまで話をして…言葉を濁して居て。
『その…祖父が元気な間はね…
僕も…好きにしてていいよって
言って貰ってたんで…好きに
させて貰ってたんですよね…』
「医療事務って…儲からないよね?」
ずっと…彼の妙な羽振りの良さは
気になってた…には気になってたけど。
この旅行のプレゼントだって、
ちょっと桁が多すぎる気がするし。
あの大きな実家だって、あんな
高級住宅街にある位なんだから…
お家はお金持ちだって事は…丸分かりだけど。
彼からそれを話してくれるまでは
こっちも待つつもり…では居たけど…。
『はい…、医療事務の給料は…
大した事無い…感じです……』