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12歳年下の彼のお誕生日の話
第9章 港斗君の誕生日
リボンと…包装紙を剥がすと
中からアルファベットが書かれた
白い箱が姿を現して。
『と…巴さんッ…こっ、これ…
貰っちゃっても…良いんですか?』
「うん…、港斗君に…使って貰いたくて
買った物だから、そうして貰えると
こっちとしても助かるんだけど…。
時計とどっちがいいかなって迷ったんだけど。
箱も、開けて…見てみてよ…」
白い箱の中にはロエベの
パズル バイフォールドの
ウォレットが入っていた。
『ロエベの財布…結構
良い値段したんじゃないんですか?』
「……まぁ…ヴィトンよりは…
ちょっと…安いかなぁ…位…だよ?」
『…めっちゃいいデザインですね…。
嬉しいです…、早速…この財布
今日から使わせて貰いますね?』
「うん…」
用意していたのは…ロエベの財布で、
デザインもお洒落な感じで、
パズルの様に…違う色合いの
3色のレザーが使われていて
遊び心もある感がして…良いかなって。
彼が…財布を持って自撮りをしていて。
『巴さんから財布貰ったって
これ送って、ライトに自慢しよっと…』
ベッドの頭元の壁に背中を
預けてもたれ掛りながら
彼が…送られて来たLINEに返事を返して居て。
今…何枚か撮った画像も…、特に
親しい人には…送っていたみたいだった。
「ねぇ…、港斗君が私にしようとしてた
お願いって…一体なんだったの?」
『巴さん…に…、僕の事を…
港斗って…呼んで貰いたい…なって。
で…僕も…巴さんじゃ…なくて…』
「呼び捨て…にする…って事?」
『そうです…、ダメですかね?
もう…来月には…丁度1年になりますし。
入籍もするし…、呼び捨てにする
タイミングとして…いいかなって…。
良いですか?…巴さんの事、
巴って…呼び捨てで…呼んでみても…』
「でも…ちょっと前から…
えっちの時に…してなかった?」
『ああっ、あれ、僕が呼び捨てに
してるって…気が付いてた…んですか?』
「聞き逃したのかな?って思ったり
した時もあったけど…、割と…
巴って…呼び捨てで
呼ばれてた…気がするな~ぁ…港斗に」
彼が…こっちの顔のすぐ目の前まで
凄い…食い気味に…顔を近付けて来て。