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主婦という枯れない花
第2章 再び開き始めた花弁
「お疲れ様〜」
ビールとレモンサワーが並々注がれたジョッキが音を立てた。
高校時代からの友人の遥香に誘われ久し振りに飲みに来ていた。
相変わらず夫は遅く帰ることが多く、遥香と飲みに行くと伝えても特段何か言われることはなかった。
「絵梨佳ちゃんも大学生かー。それだけ私たちも歳を取ったってことだよねー。」
そう言って笑う遥香は私から見るとかなり若く見える。結婚することなく仕事でキャリアを重ね恋愛も謳歌しているようだ。私からすると正反対な性格の気もするのだが彼女から見ると私達は似た者同士らしく、昔から何かと気が合った。
「でも絵梨佳ちゃんいなくなって旦那さんとはどうなの?上手くやれてる?」
遥香には夫婦関係の事や、セックスレスの話も出来る関係性なので前から何かと気にかけてくれている。
「相変わらずかな~。喧嘩とかはないけどね。お互い空気というか最低限の話しかしないかなー。今日のことも何も言われなかったし」
「そっかー。私はそのほうが気兼ねなく誘えるから良いけどね。夜に一緒に飲むなんて何年ぶりかじゃない?」
「いつもランチばっかりだもんね」
私にとってはアルコール飲むのもかなり久し振りだ。
昔は好きだったが結婚して子供が出来てから家でも呑む事が無くなった。時々夫が呑んで帰ってくると少し羨ましく思うことがあった。
「絵梨佳ちゃんは一人暮らし上手くいってる?」
「楽しそうにしてるみたいだよ。少し羨ましいって思うよ。遥香もそうだけど自由って感じするもん」
「そうかなー。私からすると美樹も羨ましいよ。旦那さんはともかく絵梨佳ちゃんがいるもん。私時々思うよ。結婚して子供産んでおけばよかったかなーって。後悔って訳じゃないんだけどね」
「でも結局、娘は出て行っちゃうからねー。旦那とはこんな感じだし」
「誰か職場に良い人いないの?バレない程度に遊んでる人なんていっぱい居るでしょ?」
「無い無い!そんなこと想像もつかないよ。憧れみたいなのはゼロじゃないけどね。そういう遥香こそどうなの?彼氏いるんでしょ?」
「言わなかったっけ?恋愛関係は解消したよ。お互い冷め始めてたからねー」
初耳だった。
「聞いてないよ!でも遥香モテそうだから次の人とかいるんじゃないの?」
「私たち何歳だと思ってるの?そんなわけ無いじゃん」
そう言って遥香は笑った。
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