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光の魔導師レド
第2章 クロエッツエル王国

「ぐはわっ!!!」
レムは、同じ奴隷にされた者たちの死臭のする血の匂いにむせかえった。
レドによって犬に成り果て、嗅覚が急に研ぎすませれたのだ。
「大丈夫かい?レム」
「…ああ」
レドには言葉が通じるが、周りには、「ワン」と吠えているようにしか聞こえない。
「じゃあ早速、レムに首輪をつけてあげるね♪」
レドは、嬉しそうに、レムにレド所有の魔法陣が描かれている首輪をつけた。
「お前、どっからそんなもん出したんだよ?」
「え?今、見てたとおり、ポケットからだよ♪」
「だから!!!!何で、首輪が"常"にポケットに入ってるんだってこと、聞いてるんだ!?」
「え?」
「普通の平民じゃ、有り得ないことだらけだろ!!!!」
「さっきから、何で、何で、うるさいね?」
レドは、レムをギロリと睨み倒す。
「レム、伏せ!!!」
すると、レムは、背中に寒気が走り、「キャインキャイン」と、伏せの姿勢、謂わば服従のポ―ズをとらずには、いられなくなった。
「う~、なんだこれ!!!」
レムは、項垂れる。
「伏せ」と言われた瞬間に、自分の意思とは裏腹に、体はレドの言いなりに動いてしまう感覚に見舞われた。
そんなレムに、レドは、彼の頭を撫でて、冷やかに微笑む。
「よしよし、良い子だね?ずっと、そのままのポ―ズでいたくないのなら、あまり僕に吠えるなよ?」
最後の台詞に、レムは、ゾッとしてしまった。
(もしかして、俺は、とんでもない主人を持ってしまったんじゃ…。)
そう思った時には、もう既に遅かった。
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