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光の魔導師レド
第2章 クロエッツエル王国

レドは、アルテミス(魔法の杖)を右手の中にしまうと、スタスタと街の方へ歩き始めた。
「僕が傷口を塞いであげたし、体は犬になって身軽になったはずだから、このまま歩いて帰れるよね、レム?」
「オイオイ、そこは魔法は使わずに歩くのかよ?」
するとレドは、レムにムスっとした表情を見せる。
「僕は今、移動魔術や時空を超える魔法は、使えないんだよ。それが何か文句ある?」
「なん…いや、なんでもいい。とにかくお前が偉大な魔法使いだってことには間違いないって事だよな?」
そのレムの言葉に対して、レドは、うっすらと微笑を浮かべる。
「クス、確かに僕の魔力で、この世界をぶっ壊してしまうのは、簡単なことさ♪」
「…なっ、なんだって!!!」
レムは、ぎょっとした。
「だけど、残念なことに、僕はこの世界に囚われてて、抜け出せないんだ。どんなにここが、糞みたいな世界でも、生きてく上で明日が無くなるのは、困るんだよね、だからひっそりと平民に成り済まして様子を探っているんだけど、それが何か文句ある?」
「…いや」
「この通り、移動魔法以外の魔力は、自由自在に操れるし、今の現状に不満はない…」
「もしかして、レドは、妖精なのか?」
レムは、思う。
レドは、いつからこの街にいたのか。
確かそんなに、古くからいた、訳じゃなかった気がする。
レドは、レムに言う。
魔力が籠った青色の瞳を称えて。
「うん、そう。僕は、異世界からやって来た妖精さ…」
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