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光の魔導師レド
第1章 この世界を救うために…
その黒い渦巻きは、どんどん増えて、異世界を飲み込んでいく。
「啓太、あたしの手を離すな!!!」
「ああ、璃子…お前と死ぬるなら、本望だ…」
「何をバカな事を言ってるんだ?こんなことで、死ぬ筈が無いだろう?」
しかし、黒い渦巻きは、璃子の作り出す金色の円形を飲み込んでいく。
ゴオオオオ―っと、耳鳴りがする。
「ああ、啓太あああ―!!!」
風が璃子の体を引っ張っていく。
手が離れていく。
この手を離してしまったら、何の魔力を持たない啓太は死ぬ。
そんなことは、させられない。
しかし、黒い渦巻きは、璃子を飲み込んでいく。
啓太の手を掴もうと伸ばした手は、空を伐る。
薄れいく啓太の体が消えていく。
笑っていた気がした。
「…俺、璃子のこと…す…!!」
「やだやだやだ!!!行くな!!!!」
「…さよ…なら…」
最後は、啓太が泣いていた気がした。
璃子も、涙を流した。
でもその雫は、光のルフによって、消えていく。
「「啓太あああ、あたしが絶対に探しに行くから!!諦めず、生きろ!!!」」
そこまで言うと、璃子の体も黒い渦巻きの中に、ス―ッと、飲み込まれた。
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