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光の魔導師レド
第2章 クロエッツエル王国

東南都トリア西区。
季節は、冬。
パラパラと雪が降り積もっている。
今宵は新月で月が出ていない。
この日は西区の広場に、神官ミュシュランと魔道士セイが魔道師と平民の魔力を測る為に、民衆を集める日だ。
ステラによって計測を終えた民衆たちは、地位が上がって喜んでいたり、奴隷に成り下がって泣いている者もいた。
この日は、必ず一悶着ある。
「いやだ、奴隷になんてなりたくない!!」
「ホラ、お前、こっちに来い!!!」
魔道士セイは、鎖に繋がれた奴隷を連れていく。
「ああ、魔道士さま、どうか息子を連れて行かないで下さい!!!」
「うるせぇ、ババア!!!魔力のねぇもんは、奴隷になるしかないんだよ!!!」
セイは、容赦なく老婆を蹴り飛ばし、奴隷を連れていってしまった。
奴隷になった者は、魔物の餌になったり、魔道士の魔法の練習台になったりと、死ぬまできつい肉体労働を課せられる。
この国には、真の平和なんて無いのかもしれない。
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